スカイマークの経営状況を改めて振り返ると、27年3月期の業績予想は営業利益が15億円と、さらに減益になる見通しだ。燃油費の高騰、整備費の増加、人件費の上昇など航空会社を取り巻くコスト環境は極めて厳しい。経常利益の多くは為替差益によるものであり、税引前利益にはエンジン売却益も含まれる。スカイマークは国内線が主体で、ANAやJALのように利幅の大きい国際線がない。ちょうど新機材の導入を進めているが、それだけでは今後の成長シナリオを描くことが難しい。
この現実が、鈴与側が「次の一手」を考えていても何らおかしくない、最大の理由とも言えるだろう。鈴与はどんなプランを思い描いているのか、航空業界内では、少なくとも4つのシナリオがささやかれている。
シナリオ(1)
スカイマーク独立維持+FDAとの提携深化
最も現実的かつ現在の深化版が、この第一シナリオだ。スカイマークの上場維持・独立性は保ちながら、整備協力、運航支援、人材交流、路線補完、販売連携、システム共通化などを段階的に進める。特に今、人材不足と整備の増大が深刻だ。完全統合まで進まずとも、運営面で協力するだけでもメリットは大きい。
また、スカイマークは羽田空港が主要拠点で、首都圏ユーザーにブランド認知されている。FDA側が統合を急ぐと、むしろ利用者や市場の警戒感を招くリスクもある。その意味でも極めて現実的な選択肢だ。
シナリオ(2)
「航空・交通ホールディングス」構想
もうひとつ有力視されるのが、鈴与側が航空事業を束ねる持株会社体制へ進むシナリオだ。例えば、FDA・スカイマーク・地上支援事業・ビジネスジェット・物流・旅行関連などを包括する「航空・交通ホールディングス」的な新会社を設立し、その傘下に両社を置く構想である。
これは単なる合従連衡ではなく、地域交通を担うインフラ企業グループの1社として航空を位置づける発想だ。鈴与はもともと静岡で物流、港湾、地域交通に強みを持つ企業グループであり、航空を単体収益事業というよりも、地域経済ネットワークの一部として捉える傾向が強い。
そのため将来的には、「FDA=地域路線」「スカイマーク=幹線輸送」という役割分担を明確化し、新たな日本型エアライングループを形成する可能性もあるだろう。







