文科省が定義する不登校の子よりも、はるかに多く不登校予備群の子がいることがわかりました。

 欠席は30日に達しないけれど1週間以上連続で学校を休んだことがあるまたは休んでいる子、学校には行くが授業に出席していない子、授業には出ているが「行きたくない」と思っている子を合わせると、全体の10%にのぼります。そう考えると、「不登校35万人以上」は、あくまで氷山の一角にすぎないことがよくわかります。

 その意味で、不登校は深刻な教育問題です。

 こんなにも多くの子どもが学校に背を向けている事実を、教育現場は重く受けとめる必要があると思います。

欠席理由の「体調不良」を
安易に信じてはいけない

 なぜ子どもたちは不登校になるのか……そのきっかけは第三者には非常に見えにくいものです。文科省が公表した「最初に学校に行きづらいと感じ始めたきっかけ」の第1位は、中学生の場合「体の不調」、2位が「学業不振」です(令和2年度・不登校児童生徒の実態調査)。これは不登校が本格化する前の様子から学校側が判断したものです。

 下の表は1998年の不登校のきっかけについての調査結果です。

図表:最初に学校に行きづらいと感じ始めたきっかけは?小中学生の場合同書より転載 拡大画像表示

 これと上記の令和2年度の調査結果の数値を比べてはいけません。こちらは複数回答調査です。このデータは、その5年前(93年度)に中学を卒業した子どものうち、不登校だった全生徒対象の調査結果なのです。成人の不登校体験者が当時を振り返り回答した本人の直接回答なので信頼に値します。

 その結果、不登校のきっかけとして半数近くがあげたのが「友人関係」でした。さらに先生との関係、部活の人間関係など、多くは学校での人間関係が関連していたと理解できます。「病気」は6位に沈みます。

 最初の調査の「学業面の不振」「体の不調」は学校が気づけること。表の調査結果は、上記の予兆がなくても、子どもの学校内の人間関係に今まで以上に配慮する必要性を表しています。