単身者の平均生活費は月16万円強です。

 65歳で月15万円だと、正直ちょっと足りない。ギリギリ、というより少し赤字になる水準です。

 でも70歳まで繰下げて月21万円になれば、平均支出を約6万円上回ります。

「超ゆとり」とまではいかなくても、少なくともヒヤヒヤする生活ではなくなります。

 75歳まで繰下げて月27万円台になれば、かなり安心感があります。

 ここまでくると、「足りるかな……」ではなく、「どう使おうか」と考えられるレベルです。

70歳まで厚生年金に加入するメリット

 さらに、もうひとつの方法があります。

 それが「70歳まで厚生年金に加入する」という選択です。

 厚生年金は70歳まで加入できます。つまり、70歳まで保険料を払い続けるということです。その代わり、その分だけ将来の年金額が増えていきます。

 目安ですが、年収180万円なら、1年働くごとに年金が年1万円ほど増えます。年収360万円なら年2万円くらい。

「え、少ない」と思いましたか?

 でも、これが一生続きます。

 たとえば60歳から年収180万円で70歳まで10年間働けば、年金は約10万円増えます。これは一生涯です。

 先ほどの例に戻りましょう。

 65歳時点で月15万円だった人が、70歳まで繰下げて月21.3万円になった。そこに、10年間働いた分の厚生年金が上乗せされる。

 結果、さらに数万円増えていくわけです。

 月ベースで見るとかなり安心感が出てくる年金額になります。

 どうでしょうか。

 平均支出より月10万円近い余裕が出る世界も、決して夢ではありません。

 ここで私が言いたいのは、こういうことです。

 65歳で受け取るのが「普通」だからといって、そのまま受け取り始めると、年金だけで生活を回すのは正直きつい。これは現実です。これでは「足りない財布」になってしまう。

 でも、受け取り時期を遅らせる。そして70歳まで働いて厚生年金を積み増す。