これは、市民福祉や教育、まちの未来への投資にまわせる予算が少ないことも示します。この状況を打破するためには、お金をかけずに、効率よく課題を解決していかなければなりません。

 そのためには、職員の意識を変えていく必要がありました。

自分の大切な人が窓口に来たら
あなたはどんな対応をしますか?

 当時の市役所では、窓口での対応に限らずすべてにおいて、届ける相手を意識して情報や伝え方を工夫する姿勢が欠けているように見えました。

 たとえば市の発信ひとつとってもそうです。

 5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)に相当する、基本的な情報のいくつかが抜けている。

 自分自身も流山市民の1人として、「なぜ行政の出す資料はこれほど分かりにくいのか」と感じたものです。市民が必要な情報を資料から得られず、電話での問い合わせや窓口に確認に行くということも珍しくありませんでした。

 そこで大前提として、行政がサービス業であることを職員に自覚してもらう必要がありました。サービス業なのだから、市民に寄り添い、市民の視点で考え、市民に役立つ仕事をし、市民満足度を上げていかなければなりません。

 在職年数が長くなると、行政の都合で考えるようになり、文章の表現ひとつとっても「この書き方で市民に伝わるだろうか」という視点が薄れてしまう人もいます。

 ひとりの市民としての感覚を取り戻してほしい。さらには「窓口に来る市民1人ひとりや、電話をかけてくる相手を、自分が小学生のときにお世話になった恩師や、親切にしてくれた近所の方、あるいは家族のように思って接してほしい」と、繰り返し伝えています。

 どうすれば、そのサービス業としてのプロフェッショナルの意識をもつことができるか。

 それまで行政関係機関による研修を民間に変え、マナー研修も実施しました。受講者の意識改革は確実に進みました。

 ただ、研修だけでは受講者が「研修を受けていない職場」に戻るため市役所全体を変えるには、もう一段、何かが必要でした。

「窓口対応を評価して下さい」
市民アンケートで見えてきたもの

 そこで、職員の対応について、市民から直接評価をしてもらう仕組みを導入しました。窓口でのサービス向上に向けて、窓口対応アンケートを実施することにしたのです。