翌日、大島さんは車を運転して、僕らふたりをジョブズゆかりの場所に案内してくれた。
ジョブズに京都を案内した大島浩さん 提供:著者
世界のVIPたちから
贔屓にされた名ドライバー
大島さんの話には“生身”のジョブズがいた。それは、至福の2時間だった。
大島さんの口から、ジョブズのエピソードが出てくる、出てくる。やわらかい関西弁で話された数々のエピソードは、知られていないものばかりだった。
大島さんは、ジョブズと同じ1955年に生まれ、京都市で育った。
高校2年生のとき、アメリカ西海岸のサンフランシスコにある公立ジョージ・ワシントン高校に留学し、現地に永住していた親戚の家で3年間過ごして卒業した。その後、大島さんは京都市にあった大型のホテルに就職し、フロント係を5年間勤めた。
その間、外国人の観光業務に関心があった大島さんは、「英語を話せる運転手が重宝されている」と知り合いから聞き、1988年にMKタクシーに入社し、翌年からハイヤーの運転手として24年間勤め上げた。退社までに客のリピーター率は90パーセントになった。その後、2013年に独立開業し、現在も個人タクシーの運転手を続けている。
これまでに乗せた外国の要人やハリウッドスターなどは、誰もが知るVIPばかりだ。
フランスのシラク元大統領、「メディア王」と呼ばれたルパート・マードック、ローリング・ストーンズのミック・ジャガー、ハリウッド俳優のハリソン・フォード、ロバート・デ・ニーロ、リチャード・ギア、キアヌ・リーブス、レオナルド・ディカプリオ、シリコンバレーからはオラクル創業者のラリー・エリソン、Facebook創業者のマーク・ザッカーバーグなど。
キアヌ・リーブスとレオナルド・ディカプリオからはいつも指名された。







