SK、LG、NAVER首脳と
サムギョプサル+焼酎で会食の狙い

 台湾の後、フアン氏はわが国を素通りし韓国に飛んだ。そして、SKグループ会長の崔泰源(チェ・テウォン)氏や、LGグループ会長の具光謨(ク・グァンモ)氏、NAVERの李海珍(イ・ヘジン)議長らと大衆食堂で会食。「サムソ」(サムギョプサル+焼酎)という韓国ならではのスタイルで、財界トップから熱烈に歓迎された。

 さらに、斗山グループの朴廷原(パク・ジョンウォン)会長、現代自動車の鄭義宣(チョン・ウィソン)会長、サムスン電子の半導体事業統括者である全永鉉(チョン・ヨンヒョン)副会長とも面会した。ちなみにサムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)会長とは、数週間前にカリフォルニアで会食を済ませたという。

 訪韓した目的のひとつは、先端チップの確保だろう。世界の2大メモリーメーカーであるサムスン電子とSKハイニックスとの面談は、エヌビディアの規格に適合した広帯域メモリー(HBM)やAIデータセンターに必要なソリッド・ステート・ドライブ(SSD)の供給増を要請したとみられる。

 現在、TSMCの先端製造ラインはフル稼働している。サムスン電子の良品率の改善状況を確認し、次世代GPUの製造委託先を増やすことが、エヌビディアの業績拡大に必要だ。RTXスパークの製造ライン確保についても、サムスン電子と話したとみられている。

 フアンCEOは、AI搭載ロボット分野でも韓国企業との関係を重視しているようだ。現代自動車グループは、米ロボット開発大手のボストン・ダイナミクスを買収、完全子会社化する。斗山グループは、ヒューマノイドから産業用まで、幅広いAIロボット(フィジカルAI)でエヌビディアと提携を発表した。

 台湾では、AIデバイスとしてのPCサプライチェーンを構築する。韓国では、新しいPCに必要なメモリやプロセッサーの調達増に加え、ロボット分野の供給網を確立する――。フアン氏は、こうした構想を世界に示すため台湾と韓国を訪問したわけだ。

半導体エヌビディアCEOが台湾・韓国を訪問したのに日本は「素通り」した残念すぎるワケSKグループ会長とLGグループ会長、NAVER会長とエヌビディアのフアンCEOが、庶民的なサムギョプサル店で会食。「NAVERペイ」でその場にいた他の客の分まで食事代を払ったという Photo: NurPhoto/gettyimages
半導体エヌビディアCEOが台湾・韓国を訪問したのに日本は「素通り」した残念すぎるワケ焼肉店の前には大勢の見物客が押し掛け、フアンCEOが好きな韓国の「バナナ味牛乳」を手渡しでプレゼントする場面も Photo: NurPhoto/gettyimages
半導体エヌビディアCEOが台湾・韓国を訪問したのに日本は「素通り」した残念すぎるワケSKハイニックスとセブン-イレブンが共同開発した「HBMチップス」(スナック菓子)をプレゼントする演出も。SKハイニックスは「高帯域幅メモリ(High Bandwidth Memory)」をエヌビディアへ供給している Photo: NurPhoto/gettyimages
半導体エヌビディアCEOが台湾・韓国を訪問したのに日本は「素通り」した残念すぎるワケ韓国ではフアン氏が立ち寄った場所などがSNSで拡散。若者を中心に話題になったという(以上、ForbesJAPAN6月17日付記事より) Photo:SOPA Images/gettyimages