2時間半も…日産の株主総会が「動議の嵐」の末、社外取1人だけ再任否決された理由【現場ルポ付】イヴァン・エスピノーサCEO Photo:Tomohiro Ohsumi/gettyimages

 そもそも今年の株主総会の焦点が、「取締役の選任」だった。というのも事前に取締役12人全員(エスピノーサCEOと赤石永一CTOの2人に、社外取10人)が指名委員会の決定に基づき、会社提案の第1号議案となっていた。

 すでに3月、6月以降の取締役人事案は発表されていた。社外取のうち、取締役会議長の木村康氏(ENEOSホールディングス名誉顧問、元石油連盟会長、元経団連副会長)、井原慶子氏(国際レーシングドライバー、実業家)、朝田輝男氏(丸紅元会長・名誉理事、元経済同友会副代表幹事)の3人が退任。

 後任に、アサヒグループホールディングス会長の小路明善氏、みずほ銀行出身でサンシャインシティ取締役の真保淳一氏、ゼネラルモーターズ最高財務責任者(CFO)などを務めたジョイ・グリーンウェイ氏が挙がっていた。

仏ルノーが社外取選任議案を棄権
「独立性に懸念がある」

 ところが株主総会を目前に、日産の15%の議決権を持つ仏ルノーが、永井氏と真保氏の社外取選任議案を棄権したのである。両氏が日産のメインバンクである、みずほグループ出身で「独立性に懸念がある」との理由だ。

 また、米国の議決権行使助言会社ISSが、エスピノーサCEOの再任議案や永井氏と真保氏の社外取選任議案に反対を推奨していた。このため、会社側提案の取締役12人選任の一括専任議案に対して、株主提案として永井氏、同じく社外取のアンドリュー・ハウス氏、ベルナール・デスマス氏、得能摩利子氏の不再任が提案された。

 さらに、動議としてカルロス・ゴーン氏の取締役復帰選任まで提案されたが、即時に、「動議にならない」と議長が退ける一幕もあった。