当事者を追いつめる「早トチリ」
顧問弁護士を入れた致命的ミス

 このとき、佐藤さんがいきなり楽屋を訪れたことや、発言の内容や口調の強さが問題で、橋本さんは激しく動揺し、しばらくの間、涙が止まらない状態になったという。

 「週刊新潮」(2026年7月16日号)のインタビューでは佐藤さんは、怒ったような言い方はしておらず、話の最後には橋本さんも笑顔で応じてくれたと反論しているものの、橋本さんが心に傷を負ったのは事実なので、これが「ハラスメント」だと問題視されているわけだが、実はこれも強迫性障害に悩む人がされやすい誤解でもある。

 先ほども申し上げたように、強迫性障害の人は、「○○すべき」「○○でなければいけない」という強迫観念で頭がいっぱいになることが多く、ときに「今これをやらなくてはいけない」と我慢できないこともあると言われている。

 断っておくが「だから、佐藤さんは悪くない」などと庇(かば)っているわけではない。佐藤さんはこのような強迫性障害を公言しているのだから、番組制作の責任を持つフジテレビとしてはこのようなトラブルがあった時点で、強迫性障害の専門家に相談したり、カウンセラーを用意したりすべきではなかったかのか、と言いたいのだ。

 文春報道によれば、橋本さんが「身体接触NG」なのも過去の共演者のハラスメントが原因で、心の傷を負っているという。

 主演俳優2人に対するメンタルのケアは製作陣が当然すべき配慮である。しかし、フジの声明を読む限りでは、楽屋トラブルが起きた際にも、フジが双方にカウンセラーをつけてケアを行い、第三者のメンタルヘルスの専門家も交えて、事態の解決を図ったりした形跡は確認できはない。

 しかも、そういうメンタルヘルスの問題やトマウマを抱えている俳優2人にとって「最悪」の対応をしてしまう。それが3の《弁護士を介入させないほうがいいトラブルに、弁護士を介入させてしまった》である。

 佐藤さんが楽屋で俳優のあり方について持論を述べ、橋本さんが涙を流すというトラブルが起きた後、フジテレビは「当社コンプライアンス部門は、速やかに外部の弁護士に対し、事実関係の確認及び環境調整を依頼いたしました」と胸を張っている。

 これこそが、今回の問題をこじれにこじれさせてしまった最大の要因だ。