自分のスマホの設定では、位置情報の取得を「許可しない」にチェックを入れていた。
それでも、自宅の郵便番号は把握されていた。位置情報の設定を「オフ」にしていても、FBは「具体的な位置情報を推定するためにIPアドレスを使用することがあります」と説明しており、どうやら端末のIPアドレスの情報から取っているようだった。位置情報の取得を「許可しない」という選択は意味がないように思えた。
見なかった通知まで
広告データになる
スマホの画面上に表示される「通知」については、どの通知を見たかが記録されていた。
興味深いのは、どの通知を「見ていない」のかも記録されていたことだ。広告主からすれば、特定の通知を「スルーした」というデータも貴重な情報になっていることがわかる。
さらに驚いたのが、「あなたの活動や情報を使っている広告主」の数だ。長いリストをたどると、1635もの広告主があった。
FBやヤフージャパンなどのプラットフォーム企業のほか、大手メディア、不動産屋、ミュージシャン、ホテル、家の近くのコーヒー店など、普段の生活でよく見に行くサイトや実際の店舗の名前がある一方、身に覚えのない企業の名前も多い。なぜか、ベトナムの若者向けメディアや台湾の女性向け美容サイトもあった。
FBによると、広告主は私たち利用者を広告を見せる対象に入れるかどうかを、利用者が見たウェブサイト、アプリなどをもとに選んでいるという。
無料サービスの裏で
集められる個人データ
ビッグテックがこうして集めたデータはどうお金になるのか。それは、気が遠くなるほど複雑な広告のしくみを通じてだ。
そのしくみを探っていた私は、ネット広告について長年調査していた、米電子フロンティア財団(EFF)のベネット・サイファーズ氏(当時)を頼った。彼の報告書を読んだうえで、ビデオ会議を重ねて手ほどきを受けた。
グーグルやメタなどが集めるデータは、2種類に分類される。
1つは、メールや地図、SNSなどの私たちが無料で使うサービスの対価として直接、ビッグテックに手渡している「ファーストパーティーデータ」。もう1つは、彼らが第三者のサイトやアプリなどから集めている「サードパーティーデータ」だ。







