買い物サイトやニュースなどのアプリで使われている「グーグルでログイン」「FBのいいね」などの機能は、ユーザーにとっても便利な機能だ。サイトやアプリの運営者はこうした機能に加え、利用者の様々なデータを分析する「グーグルアナリティクス」などを使う代わりに、ユーザーの情報をグーグルやFBに流している。

 データはウェブサイト向けの「クッキー」やスマホ向けの「広告ID」と呼ばれる識別番号で各利用者にひもづけられ、広告事業者にシェアされる。

 あなたがどこにいて、ネット上でどんなサイトを訪れたかを追跡し、どんな商品やニュースに関心を持ったか、多くの業者が「プロファイリング」をしている。扱うモノやサービスに関心がありそうな人に狙いを定め、広告を出すのに使われている。

「グーグルなどはあなたのデータを直接売っているわけではないが、(利用者の関心に合わせて出す)ターゲット広告の過程でデータを流し続けている」EFFのサイファーズ氏はそう強調する。

「データを売り買いするブローカーもいる。実際の名前や電話番号と結びつけるのも簡単だ」という。

あなたの個人データは
1000分の1秒でやりとりされている

 こうした私たちのデータが「商品」としてさばかれる場所の1つが、ビッグテックらが運営するネット上の巨大な広告取引所だ。「リアルタイム入札(RTB)」と呼ばれるしくみで、世界のデジタル広告市場の約6割を占める「ディスプレー広告」で使われている。

 私たちがネット上でどこかのウェブサイトを訪れると、それが「号砲」となって広告業者による入札がおこなわれる。

 その値段の高さや広告の質などで「勝者」が決まり、特定のスペースに広告を表示できる。入札にかかる時間は1000分の1秒単位。株式の高速取引と同じしくみで、もともとは2008年の金融危機後、デジタル広告業界に移った金融系のIT技術者らが開発したとされる。

 入札の際、取引所を通じて参加業者に私たちの識別番号などが共有される。