「わざと遠回りするタクシー」は今もいる?
現役ドライバーが正直回答
現役ドライバーとして正直に答えるならば、悪質なドライバーはゼロではない。タクシー業界には、良心的なドライバーとそうでないドライバーが混在するのは事実だ。
実際、悪質な運賃詐取行為は以前から何度も業界内で問題視されてきた。目的地までの最短ルートを知りながら、あえて渋滞区間や信号の多い道を選ぶ。あるいは、遠方から来た観光客や土地勘のない客を狙って、明らかに不要な迂回をする。
国土交通省や各地のタクシー協会は、こうした運賃詐取を「不当な迂回運送」として指導対象にしており、悪質な事例が発覚して処分されたケースもある。
ただし、こうした確信犯的な迂回は年々やりにくくなっている。理由は単純で、乗客側がスマートフォンの地図アプリを駆使し、ルートをリアルタイムで確認できるようになったからだ。
ドライバーの運転が厳しくチェックされる現代では、以前は「土地勘のない客だから」と成立していた小細工が一発でバレてしまう。
筆者も乗務中、運転席のカーナビ画面を「乗客に見られている」と感じることがよくある。後部座席の客が、スマホの地図アプリを立ち上げ、筆者が通るルートと見比べていることも珍しくない。車内で地図アプリの音量を上げ、音声案内を流す乗客もいる。
このように乗客の目が厳しくなった現在のタクシー業界では、「悪質な遠回り」よりも「良心的な遠回り」の方が、ずっと多いと筆者は考える。







