85%の「拒絶」から逆転
わずか4年で勝者に化けたワケ
そんな「中国へのネガティブ感情」に拍車をかけたのが、中国国内での反日デモだ。
当時、尖閣諸島を日本政府が国有化したことで、中国ではユニクロやイオンなどが襲撃されるなどの被害にあって、両国の関係はかなり悪化していたのだ。
そうなると当然、消費者の間には「中国製品など誰が買うか」というムードが高まる。
2012年4月8日の「日本経済新聞」が、白物家電に関する調査を行ったところ、「絶対に国内ブランド」「どちらかといえば国内ブランド」という人は85%にのぼった。
そんな大逆風の中で、ハイアールは2012年度の販売目標を500億円(ハイアール150億円、AQUA350億円)に掲げたのだが最終的には、販売483億円(ハイアール135億円、AQUA348億円)と「未達」で終わった(ハイアールアジアインターナショナル 2013年1月29日)。
では、そのままハイアールは「中国へのネガティブ感情」に屈して、日本市場では受け入れられないままだったのかというと、そんなことはない。
三洋買収後、国内にR&D拠点をオープン、水を使わずに空気で洗う「Racooon」や衣類エアウォッシャーなど、消費者のニーズを掘り起こす新製品を次々と発売、「アクア株式会社」と社名を変更した2016年には以下のような成果を得る。
《豊富な魅力的商品ラインアップを武器に新生活商戦で、2位以下に1.5倍の差を付け30%のシェアを獲得》(アクア株式会社HP「ハイアール日本地域の歩み」)
その後も順調に成長を続けて、2021年には売り上げの年平均成長率21%に到達、2024年には累計出荷台数3000万台を達成。ハイアールとAQUAという自社ブランドだけではなく、家電量販店や小売店の「プライベートブランド家電」を多く受注しているという(産経新聞 8月31日)。
2012年段階は消費者の85%が「ノー」を突きつけた中国メーカーも、品質がしっかりとしていて、コスパがいいということが認知されれば、わずか4年程度で消費者に受け入れられて、確固たる地位を築くことができるということだ。
ここまで言えばもうお分かりだろう、これが筆者がBYDもいずれ日本の消費者に受け入れられる可能性がある、という理由だ。







