もう一つ私たちが見落としがちなのが、「障害のある方や子どもの近くでは、一時停止または徐行をする」というルールだ。
具体的な配慮の対象として、道交法第71条では「身体障害者用の車」「杖を携行したり、盲導犬を連れたりしている、目が見えない者」「監護者が付き添わない児童もしくは幼児」などと定めている。(注:児童は6歳以上13歳未満、幼児は6歳未満)
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こうした人たちの近くを走行するとき、気を遣って速度を落とすドライバーは多いだろう。だが、道交法における「徐行」の定義は「車両などが直ちに停止することができる速度」となっていて、教習所などではおおむね「時速10キロ以下」と教えることが多いようだ。「ちょっと速度を落としただけ」では不十分なため要注意である。
「ほかにも、通学・通園バスの横を通過する際は、徐行して安全を確かめることが義務付けられています。これらの遵守義務があるのは“車両等の運転者”です。クルマやバイクだけでなく、自転車や電動キックボードも含まれるので、一時停止や徐行を行わなかった場合は取り締まりの対象になる可能性があります」(後藤弁護士、以下同)
違法だと思われがちだが
「実は合法」の意外なケース
さて、本稿の前半では、人々が何気なくやっているものの、実は違法に当たるケースを紹介してきた。
後半はその逆で、ドライバーや歩行者に「やってはいけない」と思われがちだが、実は合法なケースを見ていこう。
まずは、クルマによる「自転車や電動キックボードの追い越し」だ。
近年、電動キックボードが盛んになり、車道を走るケースが増えている。また、道交法の改正により、2026年4月1日以降は車道を走る自転車が増加している。クルマやバイクは今まで以上に慎重に走行する必要があるが、自転車や電動キックボードは速度が遅く、追い越しが必要になる場面も多い。
この点について、道交法第30条では以下の場所での追い越しを禁止しているため、「自転車なども対象になる」と思っている人がいるかもしれない。
・道路の曲がり角付近、上り坂の頂上付近、勾配の急な下り坂
・トンネル(車両通行帯の設けられた道路以外)
・交差点(一部を除く)、踏切、横断歩道または自転車横断帯とその手前30メートル以内
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しかし実は、これらの場所で自転車や電動キックボードを追い越しても、原則として問題ない。
「道交法第30条で『追い越し禁止』の対象になっているのは『特定小型原動機付自転車などを除く車両』です。自転車や電動キックボードは、この例外に含まれるため、追い越しても違反になりません」
ただし例外もある。
黄色のセンターラインが引かれた道路 Photo:PIXTA拡大画像表示
「交差点などには、黄色のセンターラインや道路標識によって『追い越しのためのはみ出し禁止』と定められているエリアが多くあります。このような場所では、自転車などを追い越す場合でも、道路の右側部分にはみ出して進行することは禁止されています」
目の前の自転車や電動キックボードを追い越したくなったとき、車線をはみ出さずに安全な間隔(警察庁は『少なくとも1メートル以上間隔を空けるとしている』)を保って追い越せないなら、追い越しを控えよう。







