鉄道を捨てるのではなく、人の流れを収益に変える
この構造変化を踏まえ、JR東日本が掲げているのが、グループ経営ビジョン「勇翔2034」です。
同社は、2031年度に売上高4.3兆円、営業利益7500億円を目指し、その先の2034年度には売上高5兆円規模への成長を見据えています。そして、その中核にあるのが、事業の重心を「鉄道」中心から、流通、不動産、ITなどを含む「生活ソリューション」へ広げる戦略です。
鉄道事業を含むモビリティ領域では、2031年度に営業収益で3000億円超の上積み、営業利益2600億円程度を目指しており、縮小するわけではありません。
ただし、成長をより大きく牽引するのは生活ソリューション領域です。同領域では2031年度に営業利益4900億円程度を目指しており、JR東日本は鉄道が生み出す人流や駅・沿線の接点を、流通、不動産、ITなどの収益へ広げようとしています。
ここでポイントになるのが、駅を「プラットフォーム」として捉えるという視点です。
プラットフォームとは、複数の製品・サービス・情報などを結びつける基盤を指します。プラットフォームは、それ単体ではなく、さまざまなプレイヤーが集まり、つながることで、はじめて顧客価値を生み出します。
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JR東日本グループの鉄道やエキナカ店舗等は、毎日のべ3500万人に利用されています。これだけの人流があるからこそ、駅にはテナント、広告主、不動産事業者、地域の事業者などが集まります。さらに、それらの事業者の集積は、駅の利便性や魅力を高め、人々の滞在や消費を生み出していきます。
人の流れが事業者を呼び、事業者が駅の価値を高め、その価値がさらに多くの人を呼び込む。駅は、こうした循環を生み出す、まさにリアルなプラットフォームなのです。
JR東日本が進めているのは、鉄道が生む人流を、エキナカ、駅ビル、広告、不動産、ホテル、オフィスといった収益へ変換する取り組みです。運賃だけで稼ぐのではなく、人が移動することで生まれる接点そのものを価値に変えようとしているのです。







