メンバーに選ばれたのは、役職や地域にかかわらず、30~40歳代の比較的若い社員だ。CFTの本質は、その名の通り、部門間を横断して日産自動車の問題点を探ることにある。そのため、研究開発部門や製造部門、購買部門、人事部門など、社内のあらゆる部門から各チームはメンバーを召集した。多様性を持たせるために、海外拠点やグループの関係会社も対象に含まれ、メンバーには外国人や女性も数多く選ばれた。
CFTは、CEOとCOOを頂点とし、以下、役員クラスの2人のリーダー、課長クラスの1人の「パイロット」、10人前後のメンバーで構成された。CFTの実質的な運営は、推進役であるパイロットが担当する。リーダーはいわば相談役だ。例えば、役職がパイロットよりも上の部長クラスがそのパイロットに抵抗していれば、パイロットに協力するように説得して回る。
CFTの基本的な活動方法は「ベンチマークとブレーンストーミングである」と、同セミナーに登壇した嘉悦朗氏(当時は日産自動車ヴァイスプレジデントバリューアップ推進支援チーム組織開発担当、後に日産マリノス社長)は語る。嘉悦氏は、組織/意志決定プロセスを担当するCFTのパイロットを担当した。「ベンチマークで世の中の進んだ企業の進んだやり方を常に学習した上で現状を分析すると、日産の悪いところが露呈する。一方、ブレーンストーミングは枠組みにこだわらずに自由な発想でアイデアを出せる」と、同氏はこれらの方法の利点について説明する。
こうして、各CFTは週に1~2回ほど会議室などに集まり、白熱した議論を戦わせて、日産自動車の悪あしき点を探っていったという。
ただし、CFTの運営は決してスムーズには進まなかったとも嘉悦氏は言う。メンバーは出身部門はもちろん、言葉も文化も価値観も異なるケースが珍しくない。しかも、それぞれがかなり優秀なので弁も立つ。そのため、CFTの活動は困難を極めたというのだ。







