小規模宅地等の特例の
注意点は
そこで田中さんは、相続時に特例が適用できる状態を整えるため、この土地をアスファルト舗装し、コインパーキングとして運営を開始しました。なお、この特例は相続開始前3年以内に貸付を始めた土地には原則適用できないため、直前の駆け込み対策にならないよう早めに動く必要があります。
もちろん、アパートを建設すれば「貸家建付地」として評価されるため、相続税評価額はさらに下がる可能性がありました。しかし、そのためには多額の借り入れが必要となるほか、空室リスクや修繕費負担、管理の手間なども生じます。
税理士からは「節税効果だけを追い求めるのではなく、ご家族が将来も無理なく保有・管理できるかという視点も重要です」と助言を受けました。田中さんは、多少の節税効果を見送ることになったとしても、借り入れを伴うアパート経営より、駐車場経営を続ける方が自分たち家族に合っていると考えたのです。
生前贈与vs遺言書での節税
お得なのはどっち?
田中さんは収益を生むようになった駐車場を娘へ生前贈与すれば、将来発生する賃料(所得)を娘の財産として蓄積できると考えました。しかし、税理士から以下のデメリットを指摘され、田中さんは考え直します。
【生前贈与のデメリット】
●贈与税が発生した場合、娘がその資金を準備しなければならない。相続時に比べて贈与税の税率は高くなる可能性もある
●不動産贈与では、不動産取得税や登録免許税が発生する
●生前贈与してしまうと、将来の相続時に「小規模宅地等の特例(貸付事業用宅地等)」(※評価額50%減額)の対象外となる
●贈与税が発生した場合、娘がその資金を準備しなければならない。相続時に比べて贈与税の税率は高くなる可能性もある
●不動産贈与では、不動産取得税や登録免許税が発生する
●生前贈与してしまうと、将来の相続時に「小規模宅地等の特例(貸付事業用宅地等)」(※評価額50%減額)の対象外となる
悩んだ末、田中さんは「生前贈与」ではなく、「遺言書」による確実な遺産分割対策を選択しました。
娘に駐車場を相続させる旨を遺言書に明記しておくことで、円滑に娘が駐車場を引き継ぎ、その後の賃料収入を納税資金の補填に充てられるようにしたのです。
さらに、妻や娘とも十分に話し合った上で遺言書を作成したことで、家族全員が財産の承継方法を共有でき、将来の相続に対する不安の軽減にもつながりました。







