学生との接し方で、村田先生が留意していること

 村田先生が、学生(企業入社内定者)や新卒社員へのメッセージを記した『フレッシャーズ・コース2027』。そのコーナーのひとつ「入社3年目までの先輩たちのホンネ調査!」では、「コミュニケーションの苦手な相手」の1位が「上司」となっている(*3)。職場の上司が、部下や新卒社員に向き合うときのポイントを村田先生に尋ねた。

*3 『フレッシャーズ・コース2027』 第3巻「入社3年目までの先輩たちのホンネ調査!」より(複数回答) 1位の「上司」が38.8%、2位の「先輩」が20.9%、3位の「顧客(自社製品やサービスの販売相手)」が20.3%

村田 上司は、部下に「答えを与えない」ことがあってもいいのでは? 私は、ファシリテーターの方を見て、「『答えを出さないやり方』が上手だなぁ」と思うことがあります。ファシリテーターは話し合いを仕切れる立場なので、話の方向性を自分の思うように進められますが、話し合いをするのはその場の参加者なので、「(ファシリテーターの)自分は答えを持っていない」という姿勢を取るのです。「こんなときはどうしたらいいですか?」と聞かれても、優れたファシリテーターは「そういう疑問もたしかにありますよね。みなさんはどう思いますか?」と、話を全員に振って、自分の考えや答えを押し付けません。

 また、コミュニケーションにおいては、「待つ」という姿勢も大切です。組織やチームの成長を考えたうえで、上司は、発言を急ぐ必要はありません。歳をとると、「待つ」ことがなかなかできなくなりますよね。自分に、知識や知見があるばかりに、先んじて教えてしまったり、結論を急いでしまったり。いまの若い子たちは、コスパ、タイパ重視なので、「早い答え」がありがたいかもしれないけど、自分でしっかり考える時間を与えてあげてほしいです。