操作感が分かっている担当者のデモ操作は適度なテンポで進んだが、応答は数秒かかるため、慌てて話しかけるとタイミングが合わない場面も。筆者が試した際は、「おかや」が「おかやま」になってしまい、焦って「違います」「おかやです」と言った途端に、やり取りがギクシャクしてしまった。プロンプトのチューニング次第で処理速度の向上は可能だが、今は確実性を優先しているという。

 もっともAIは加速度的に進歩している。音声認識の精度、処理速度など、機能上の対応は時間の問題だろう。本当の課題は、人の対応を代替できるのかという部分である。NECの担当者に聞くと、AIの対応はみどりの窓口で働く係員が普段どういう順番でどのように情報を聞き出しているか、業務フローを整理し、根本的に崩さないようにしているという。

 ただ、みどりの窓口の係員には暗黙的な知識がある。開発側が考える順番で情報を聞き出そうとしても、聞かないといけないことは他にもあり、人間が補完している。このタイミングと手段をAIで対応するのはまだまだ難しいという。

利用者のニーズに応じた
「最適な提案」はいつ実現できるか

 筆者には券売機やネット予約の機能を把握するときに必ず試す経路がある。最寄りの大宮駅から乗車し、母方の郷里である長野県の岡谷駅に12時頃に到着するきっぷの検索だ。

 試しにGen-AX製のAIに聞いたところ、最初に表示された1案は大宮8時40分発の北陸新幹線「はくたか」で長野へ行き、長野から塩尻まで特急「しなの」、塩尻から岡谷まで普通列車を利用するルートだ。到着は11時13分、所要時間は2時間33分で1万360円だ。

 なお、前述の通り、案内機能は既存のものを使用しているため、Gen-AX製のAIに問題があるわけではないことは付記しておく。えきねっとや公式アプリの検索でも同様の問題が発生する。

提示ルート一覧提示ルート一覧(筆者撮影)