前後リジッドアクスルの正体
左右交互に深い凹凸を刻んだモーグルコース。トランスファーレバーを4Lへ入れる。車速は低くなる一方で、タイヤへ伝わるトルクは大きくなる。1.5Lの自然吸気エンジンが急に力持ちになる訳ではないが、アクセルを細かく調整しながら、低速でタイヤを狙った場所へ置けるようになるのだ。
慎重にモーグルへ進入する。片側の車輪が盛り上がった土へ乗り上げ、反対側は深い窪みへ落ちる。車体は大きく傾いたが、タイヤは簡単には地面を離れない。お見事。
モーグルコースを走る Photo by A.T.
この動きを生み出しているのが前後3リンク式のリジッドアクスルである。左右輪を一本の車軸で結び、片側が持ち上がると車軸全体が傾いて、反対側の車輪を路面へ伸ばす仕組みになっている。この左右輪の相対的な上下動を、「アクスルアーティキュレーション」と呼ぶ。
ノマドのサスペンションストローク量は公表されていないので、「何mm動きました」と書くことができないのが残念だが、写真を見ればここまで車体が傾いても、なおタイヤを地面へ残そうとクルマが奮闘していることが分かるだろう。足まわりには相当な余裕がある。
さらにリジッドアクスルには、ディファレンシャルとドライブシャフトを頑丈なハウジングへ収められるというメリットもある。悪路からの衝撃や大きな駆動力に強いのだ。その代わりバネ下重量が大きくなる。舗装路での乗り心地や操舵精度は独立懸架に一歩も二歩も譲ることになる。悪路で必要な性能を優先した結果、ノマドは前後リジッドアクスルを採用しているのだ。
後輪が宙に浮いた瞬間
足は良い。最高に良い。だがいくら良くても限界は来る。
さらに深い凹凸へ進む。ご覧の通り片側の後輪が完全に宙へ浮いてしまった。浮いたタイヤが虚しく空転する。
片側の後輪が完全に浮いている Photo by A.T.







