ラダーフレームという骨格
大事なことをもうひとつ。車体へ加わる大きな“ねじり”を受け止めるのがラダーフレームだ。
一般的な乗用車のモノコック構造は、軽量で床を低くでき、室内空間や舗装路での操縦性にも有利である。一方のラダーフレームは、エンジンやサスペンションなどを独立した頑丈な骨格へ取り付け、悪路や積載、牽引による大きな荷重を受け止めやすい。
ノマドは2枚ドア版のシエラのラダーフレームを単純に延長したのではなく、5ドア化に合わせて中央部などを補強している。
現在ラダーフレームを採用する国産車は、ジムニー一族の他に、ランドクルーザー一家、レクサスGXやLX、三菱トライトンなどがある。その中で前後ともリジッドアクスルを採用する現行車は、ジムニー一族の他にランクル70“だけ”である。ジムニーとランクル70が、いかに孤高の存在であるかが分かるだろう。
感動のオフロードを走り終え、MT車に乗り換えて一般道へ出た。
一般道を走る Photo by A.T.
前後リジッドアクスルゆえの揺れや、穏やかなステアリング応答は隠しようがない。それでもホイールベースが340mm延びたことで、シエラより前後方向の動きは落ち着き、直進安定性は間違いなく高まっている。
ノマドは乗用SUVになったのではない。本格クロカンのまま、後席と荷室を手に入れて、日常使いの範囲を大きく広げたと見るべきだろう。
ノマドの弱点と、300万円という価格の価値
無論長いホイールベースには代償もある。何しろ狭い場所での取り回しが悪い。全長は4mに満たないのに、最小回転半径はまさかの5.7m。これはRAV4や、ステップワゴンの一部グレードと同じ数字だ。
しかし人と荷物を載せて遠くまで移動し、その先の悪路へ入るなら、ノマドの長さは絶対的な武器となる。このクルマの値段は300万円弱である。
専用ラダーフレーム、前後リジッドアクスル、ローレンジ付きパートタイム4WD、そしてブレーキLSDトラクションコントロールまで付いてこの価格。破格である。激安である。誰もが納得のバーゲンプライスである。しかも装備を削って安くしたのではない。スズキが半世紀以上もかけて蓄積してきた技術と世界規模の量産によって本格クロカンに必要な機能を300万円へ収めてきたのだ
既存のオーナーさん。街だけで乗るのはもったいない。一度でも良いからオフロードコースへ持ち込み、4Lでモーグルを走ってみてほしい。タイヤが浮いてもアクセルを踏み続ければ前へ出る。その瞬間、自分がいかに凄いクルマを買ったのかが分かるはずだ。その喜びを噛み締めてほしい。
ちなみに、AD高橋氏所有のノマドは1回しか4WDシフトにしたことがないそうだ。何してんだよホントww







