監査法人が下す「最も重い判断」
「意見不表明」と「結論不表明」の違いは?
まず、言葉を整理しておきましょう。
監査法人が出す結論には、段階があります。
問題がなければ「無限定適正意見」。これがいわゆる“お墨付き”です。一部に問題があれば「限定付適正意見」、決算書が明らかに不適正で会社が直さないなら「不適正意見」となります。
そして、そのどれも出せないのが「意見不表明」です。意見不表明は、決算書が良いとも悪いとも言えない、つまり「判断する材料そのものが足りない」という状態を指します。
似た言葉に「結論不表明」があります。意見不表明が年に一度の本決算の監査で使われるのに対し、結論不表明は、半期や四半期の決算を点検する「期中レビュー」で使われます。
監査は厳密な点検、レビューは簡易点検という違いはありますが、行き着く先は同じです。どちらも「証拠が足りず、保証できない」という、監査法人にとって最も重い判断の一つなのです。
冒頭で触れた半年で7社という数字は、この意見不表明と結論不表明を合わせたものです。本稿では以降、両者をまとめて「意見・結論不表明」と呼びます。
問題は、その重さです。
監査報告書や期中レビュー報告書に、意見不表明や結論不表明などが記されると、東証はただちに投資家へ注意喚起します。改善の必要性が高いと判断されれば「特別注意銘柄」に指定され、原則1年後の審査で改善が認められなければ、整理銘柄を経て上場廃止に至ります。
“お墨付き”が出ないことは、上場企業にとって、それほど深刻な事態なのです。
では、実際に「意見・結論不表明」となった7社では、何が起きていたのでしょうか。同じ結論に至った背景を見ていくと、その理由は実にさまざまです。
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