チョコレートを使わない
パイの実が誕生
パイを主役にしたことで、近年の開発方針は、従来型とは一線を画している。
2026年5月に発売した新商品「とろリッチパイの実」は、中身がミルククリームに。パイの味わいを最大限引き出すことを起点に開発を進め、チョコレートからの脱却を図ったのだ。
チョコレートではなくミルククリームを中身に使った「とろリッチパイの実」。製造工場の社員などからも評判が高かったという Photo by M.F.
その際、技術的な壁になったのが水分だ。パイ生地は水分の多いクリームを入れると湿気てしまう。そこで応用したのが、同社の別商品「サクサクチョコパイ」で使われていた応用技術だった。加えて、賞味期限を1年程度確保しながら食感を保つことがいかに難しいかを痛感し、開発は試行錯誤を繰り返したという。
こうして世に送り出された新商品について、久保田氏はパイの実の担当になって “過去一”と呼べるほどの反響を得ていると喜ぶ。例えば、ニュースサイトのコメントでは、「チョコレートを控えるよう医師に止められていたが、このパイの実はチョコレートを使っていないので食べられた」という消費者の投稿もあったと振り返る。
同社のオンラインショップでは、パイの実の中身のチョコレートを抜いて、チーズやコーンポタージュなどの味つけパウダーをセットにした「シャカシャカパイの実セット」を販売するなど、新たな商品展開を進めている。本原氏はこれを「戦う市場そのものを変える試み」だと表現し、菓子の中で成長を続けるスナック市場の土俵でも勝負していきたい意向を示す。







