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3年4カ月でPBRは1.82倍に拡大
12カ月先予想ROEは11.3%に改善
日本株市場は、このところ調整局面にあるとはいえ、日経平均株価が6月22、25日と終値で7万2000円台を付けたことに象徴されるように、活況が続いている。
AIブームや人手不足への対応による設備投資増、価格転嫁の広がりなどによる企業収益の改善が直近の背景にあるが、企業収益改善を大きく前に進めることになったのは、東京証券取引所(以下、東証)が、2023年3月31日に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応等に関するお願いについて」と題した文書を発出したことが大きな契機になった。
東証は、プライム市場の約半数、スタンダード市場の約6割の上場会社が、自己資本利益率(ROE)が8%未満、株価純資産倍率(PBR)は1倍割れと、資本収益性や成長性といった観点で課題がある状況を指摘し、経営の改善を求めた。
資本コストは投資家からの要求利回りであり、ROEを要求利回りで割るとPBRになる関係、すなわちPBR=ROE/資本コストを踏まえると、東証の要請は、資本コストを上回るROEを実現しPBRを引き上げることだったと解釈することもできる。
東証が要請をした当時(2023年3月31日)のTOPIX(東証株価指数)の12カ月先予想ROEは9.7%、PBRは1.24倍、PER(株価収益率。PBRをROEで割った値と一致。そのためROEを横軸、PBRを縦軸にとった散布図において、原点とデータを結んだ線の傾きがPERとなる)は12.8倍だったが、それから3年4カ月後の26年7月31日に12カ月先予想ROEは11.3%に改善しPBRは1.82倍、PERは16.1倍に拡大した。
こうした変化のもとで、TOPIX500採用企業の時価総額は2023年3月31日の349.8兆円から2026年7月31日には694.3兆円に増加し、わずか3年4カ月の間にほぼ倍増となった。
この間の目覚ましい企業価値向上を実現した要因には、世代交代や企業財務などの経験がある経営トップが増えたことや、資本市場から経営者へのプレッシャーの高まり、海外投資家による評価の高まりなど、日本の資本市場環境が、“東証改革”以降、変わってきたことが大きい。







