中国「不動産不況」6年目の“泥沼”、習近平氏の綱紀粛正強化が不況深刻化に拍車か中国は、個人向け住宅ローンの最長返済期間を30年から40年に延長した(中国浙江省杭州市にある住宅団地の建物群) Photo:VCG /gettyimages

中古住宅価格は7月で54カ月連続前年割れ
バランスシート調整の影響で内需は低迷

 中国の不動産不況が泥沼化している。

 中国国家統計局によると、22年2月から下落が始まった全国70都市平均の中古住宅価格は、26年7月は前年同月比5.4%(以下、断りのない限り変化率は前年比、前年同期比、前年同月比)の下落となった。前年割れは54カ月連続で、ピークだった21年8月からは25%の下落だ。

 住宅は居住目的だけでなく、家計と企業が投資目的で保有することも多い。価格下落が続けば、負債圧縮を目的に、家計は消費を、企業は投資を抑制する。銀行も不良債権増大により貸し出し余力が低下することになる。

 こうした状況で、26年1月~7月の不動産開発投資は19.2%減となった。22年から25年の4年間で年平均13.5%減となった上での減少幅拡大であり、状況は極めて厳しい。

 不動産開発投資を除く固定資産投資は、25年春ごろまで堅調だったが、年間では25年は0.5%減と前年割れに転じた。今年に入っても26年1月~7月は3.7%減とマイナス幅を広げている。

 これにも不動産不況が影響している。(1)中国では業種を問わず、資産運用のために住宅を購入する企業も多く、住宅価格の下落長期化により、バランスシート調整を余儀なくされたこと、(2)地方政府の主要な財政収入である土地使用権売却収入が大きく減り、地方政府の投資余力が低下していること、などが背景だ。

 こうした深刻化を象徴するように、今年春には人民解放軍と歴史的に関係の深かった不動産販売大手の資金繰りの行き詰まりが表面化した。これには、習近平党主席が進める軍や地方組織の綱紀粛正強化が影を落としている。

 21年に恒大集団の債務不履行を機に危機が顕在化した不動産不況だが、政府は有効な対策を打ち出せないまま、さらに長期化する様相だ。