2026年7月21日、上海で開かれた世界AI大会開会式で基調演説を行う中国の習近平国家主席 新華社=中国通信/JIJI
中国が7月1日に施行した
「民族団結進歩促進法」の問題点とは?
池上 中国が新たに制定した「民族団結進歩促進法」の影響が懸念されています。中国の団結を阻害するような言動を取り締まる法律ですが、その適用範囲が国外にも及ぶというのです。
増田 中国国外の組織や個人であっても、中国当局が「民族団結を破壊する」と判断する言動をすれば、処罰される可能性があるということでしょうか。
池上 はい。「民族団結進歩を破壊する行為」など、「具体的にどのような言動が違法になるのか」は条文を見ても明確ではありません。適用の線引きには当局の判断が大きく関わるため、中国国民からすれば「あれもこれも、念のためやめておいた方がいい」という発想になるでしょう。
増田 民族団結進歩促進法は2026年7月1日から施行されましたが、それ以前にも中国には「当局の言うとおりに中国の安全を守るための行動を取らなければならない」とする法律がありましたよね。
全国民をスパイに
するようなもの
池上 15年に施行された「国家安全法」ですね。公安機関から協力を求められた場合には、全ての国民が中国の安全を守るための行動を取らなければならないと定め、海外にいる中国国民も対象になります。全国民をスパイにするようなもので、このため、仮に当局から「勤務先の企業の機密情報を提供するように」と求められた場合、拒むことができるのかという懸念が海外で指摘されてきました。







