構想力・仲間づくり力・実現力をDXへ
DXに取り組みながらも想定した成果が表れず、プロジェクトが停滞している企業に数多く出会ってきた。相談を受ける機会も増え、「何か力になりたい」と考えていた。
そしてあるとき、我々が得意とする新規事業創出のアプローチは、DXでも十分に機能することに気づいた。
答えのない課題に仮説を置く。必要な仲間を集める。そして実行しながら修正する。
その進め方は、新規事業でもDXでも変わらない。
DIがビジネスプロデュースで培ってきた力は三つある。
未来の事業像を描く「構想力」。
社内外の関係者を巻き込む「仲間づくり力」。
そして、試行錯誤しながら成果まで到達する「実現力」である。
既存事業や業務改革を対象とするDXは、課題が見えているにもかかわらず、実行段階で止まりやすい。一方で、変革をやり切れば、大きな成果につながる領域でもある。
ここにこそ、三つの力が生きると考えた。
こうした問題意識から、DIは2023年に「Technology & Amplify(T&A)」を立ち上げた。
新規事業創出で培った構想力、仲間づくり力、実現力に、テクノロジーの知見を掛け合わせ、ビジネスを変革するためのプラクティスである。
現在は、現場の課題特定から構想、実装、定着まで、一連の変革支援に取り組んでいる。
2026年、T&Aは立ち上げから3年を迎えた。
現場で蓄積してきた考え方と実践知を共有し、DXに悩む企業や経営者の一助になりたい。そして停滞する企業の課題解決に貢献できればと考えた。これが本稿を発信する理由である。
DXも新規事業も、あらかじめ正解が用意された取り組みではない。
仮説は外れる。社内外の利害はぶつかる。途中で計画を変える場面も必ず生まれる。
だからこそ、変革のパートナーに必要なのは、正しい答えを一度示すことではない。
目的を見失わず、相手の立場に立ち、必要な人をつなぎ、実行の中で答えをつくり続けることである。
そして、繰り返し述べてきたように、DXの本質はデジタル技術を導入することそのものではない。
経営・事業・ITの「分断」を越え、それぞれの知見や専門性を「のりしろ」でつなぎ、使い手である事業部門が変革の主体となる。そして、構想を描くだけで終わらせず、成果が生まれるところまで実行をやり切る。
AIをはじめ、テクノロジーが急速に進化する今だからこそ、この考え方はより重要になる。どれだけ優れた技術があっても、組織が分断されたままでは、部分最適にとどまり、会社全体の変革にはつながらない。
「何を導入するか」ではなく、「何のために変わるのか」。
その目的に立ち返り、構想し、人をつなぎ、実行しながら答えをつくっていく。それこそが、企業が変革をやり切るために必要な力だと、我々は考えている。
DIは、戦略、新規事業、投資、テクノロジーの経験をつなぎながら、企業が変革をやり切るための「のりしろ」であり続けたい。
それが、創業以来変わらない私たちの矜持である。






