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国内外の金利上昇が止まらない。金利上昇は借り入れや社債を抱える企業の利益を圧迫する。情報通信業の業績は総じて堅調だ。一方、通信インフラやデータセンターへの投資、M&Aなどで有利子負債を抱える企業も少なくない。そこで特集『金利上昇「衝撃度」ランキング!【26業界】苦しくなる企業はどこ?』の本稿では、2年以内に返済・償還を迎える有利子負債に着目し、金利が1%上昇した際の利益への打撃を独自試算した「金利上昇衝撃度」で情報通信業各社をランキングした。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)
AI・DX需要は堅調でも油断できない
情報通信業に迫る金利負担増
情報通信業に属する企業の事業領域は幅広い。AI関連、メディア、エンターテインメント、通信インフラ、プラットフォーム、システム開発など多岐にわたる。
総じて業績は堅調だ。生成AIの社会実装やDX(デジタルトランスフォーメーション)投資の定着に加え、人手不足への対応や業務効率化を目的とする企業のIT投資需要も強い。一方で、エンジニアを中心とした人材不足による人件費の上昇などが収益の制約要因となっている。
さらに、通信インフラやデータセンターなどを展開する企業では多額の設備投資が必要になる。M&Aや事業拡大のために外部資金を活用する企業も多く、金融機関からの借り入れや社債発行による資金調達は重要だ。そのため、金利上昇は新たなコスト増加要因となる。
2024年3月に日本銀行がマイナス金利政策を解除して以降、日本にも「金利のある世界」が戻ってきた。日銀は26年6月、政策金利を1%程度まで引き上げた。8月17日には長期金利の指標となる新発10年国債利回りが一時2.930%と、約30年ぶりの高水準まで上昇した。市場では9月の金融政策決定会合で追加利上げに踏み切るとの観測も強まっている。
海外に事業拠点を持つ企業は、日本だけでなく海外金利の影響も受ける。中東情勢の悪化に伴う原油価格上昇などを背景に、海外主要国でも金利には上昇圧力がかかっている。
米国では30年国債利回りが8月中旬に一時5.3%台まで上昇した。FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策を巡っても、年初に想定されていた利下げ局面から様相が変わり、インフレ動向次第では追加利上げの可能性も排除できない状況となっている。
ECB(欧州中央銀行)も、エネルギー価格高騰によるインフレ圧力に対応し、6月に政策金利を0.25%引き上げた。7月は据え置いたものの、エネルギー価格上昇の間接的、二次的なインフレへの波及を警戒している。
こうした金利上昇は企業の利払い負担を増やす。ただし、その影響の大きさは企業によって大きく異なる。重要なのが、借入金や社債の返済・償還時期だ。返済・償還期限を迎え、より高い金利で借り換える段階で影響が本格化する。
このため、有利子負債が多額でも返済・償還が数年先なら、当面の影響は限定的だ。逆に負債総額がそれほど大きくなくても、近い将来にその多くが返済・償還を控えていれば、借り換え金利上昇による打撃は大きくなり得る。
そこで今回、決算期末から2年以内に返済・償還予定の有利子負債を対象に、借換金利が1%上昇した場合の利払い負担増加額を試算した。さらに、その金額が直近3期の平均営業利益の何パーセントに相当するかを算出し、利益への圧迫度を示す「金利上昇衝撃度」としてランキングを作成した。
次ページでは、情報通信業界の企業を対象としたランキングを掲載し、金利上昇が各社の利益にどの程度の影響を与える可能性があるのかを詳しく見ていこう。







