Photo:COLLINO一級建築士事務所
不登校の子どもと親が、健やかに過ごすためには何が必要か? 筆者が実際に手がけた、「家具と配置の見直し」で家族の悩みが改善したケースを紹介しよう。(一級建築士/模様替えアドバイザー 志鎌のり子)
不登校の子どもに最適な「住まい」とは?
不登校の小中学生は約35万人、12年連続で増え続けている(文部科学省統計)。それに伴い、教育や心理的な支援の必要性から、フリースクールや教育支援センターなど、学校以外の場所で過ごす子どもが増えているという。
一方で、「自宅で過ごす」子どもも少なくない。では、その家は、子どもが安心して一日を過ごせる場所になっているだろうか? 私は住まいの専門家として、この点を考える必要があると思っている。
必要に応じて学校や専門家、支援機関につながることはもちろん大切だ。その一方で、住まいには、子どもが心身を休め、自分のペースを取り戻し、次の一歩を踏み出すまでの時間を支える大切な役割がある。
自室かリビングか、二択だと親も子もしんどい…
子どもが学校に行かなくなってから、家の中での過ごし方に悩むようになったAさん一家。自宅は、ごく一般的なマンションの3LDK。リビング・ダイニングと夫婦の寝室、子ども部屋がある。間取りだけを見れば、特に問題はない。
ところが、子どもが平日の昼間も家で過ごすようになると、それまで見えなかった問題が表面化した。
子どもがひとりになろうとすれば、自分の部屋に入るしかない。反対にリビングに出れば、ダイニングテーブルで在宅勤務をする親と顔を合わせ続けることになる。
親としては、子どもが自室に長時間いると「閉じこもっているのでは」と心配になる。しかし子どもは、リビングで常に親の視線を感じることが負担になる場合もある。
つまり、居場所が「自室」か「家族と一緒のリビング」かの二択しかない。そこで考えたいのが、家の中に「第三の居場所(サードプレイス)」をつくることだ。
部屋を増やすのではなく「居場所」を増やす
ここでいう第三の居場所とは、完全な個室ではない。家族から完全に離れるわけでもなく、かといって会話を強要されるわけでもない。
「ひとりになれる。でも孤立しない」
そんな中間的な居場所である。マンション住まいで最もつくりやすいのは、リビング・ダイニングの一角だ。候補は3つある。







