松屋、大逆転への勝ち筋は?すき家、吉野家を追う「牛丼以外」の新戦略Photo:A4studio

スタッフのオペレーション負担に懸念

 そういった戦略が奏功しているか、松屋フーズの業績を確認してみよう。2026年3月期決算では、売上高が1844億7400万円(前期比19.6%増)、営業利益が75億9400万円(同72.3%増)と、過去最高益を達成した。新規出店数と既存店売上高も順調に伸ばし、まさに波に乗っている状態だ。

 順風満帆といえるが、一方で懸念点もあると重盛氏は指摘する。

「松屋に限らずどのチェーンにも共通していえることですが、メニュー数が増えたり調理工程が複雑になったりすると、各店舗のオペレーションの負担が増します」

「なかでも松屋は、焼肉定食の注文が入れば鉄板で焼く工程があり、ドッキング店ではとんかつやカレーも出し、期間限定の大使館コラボメニューもある。それらをこなせるスタッフをどれだけ育成し、定着させられるかが、今後の重要な課題でしょう」

 折しも最新の業績を確認すると(27年3月期第1四半期、8月14日発表)、売上高は伸ばしたが、営業利益は原材料コストの上昇、人的投資の拡大による販管費増が影響して減益だ(なお通期予想は増収増益を据え置き)。

 フェーズが牛丼以外の競争に移った牛丼業界。松屋が万年3位から抜け出すためには、スタッフの育成やオペレーションの整備がカギを握るはずだ。