今回のANAの改定案にも、明らかにこの発想がある。「年に何回ANAに乗ったか」だけでなく、「ANAカードやANA Payを含めてANA経済圏にどれだけ支払いで貢献したか」を重視する。
航空業界の新たなグローバルスタンダードであり、ANAが国際的なロイヤルティプログラムに近づこうとしたとも考えられる。しかし、ここに大きなミスマッチがあった。
米国では航空会社とクレジットカードの結びつきが強く、「カードを使えば特典が増える」というシンプルな考え方が比較的浸透している。一方、日本はいわゆるマイル修行層も多く、ひとたび上級会員になれれば、その後もずっと同じステイタスを維持できる独特の文化を形成してきた。
ANAはルールを国際標準に近づけようとした。その判断は非常に合理的で、ある意味ドライである。しかしSFC会員は、ANAに対して“ウェットな感情”を抱いていたのではないか。この違いを見落としたことが、今回の炎上につながったと考えられる。
では、ANAはどんな見直し案を出すだろうか。想定シナリオは3つある。
シナリオ(1)
「300万円」を撤回し、現行制度をほぼ維持
最も分かりやすいのは、改定案をほぼ撤回するシナリオだ。SFC PLUS/LITEという区分を取りやめ、ラウンジ利用やスターアライアンス・ゴールドを従来通り維持する。
ただし、これではラウンジ混雑が解決しない。経営課題が、ただ先送りになるだけ。そのため、可能性はゼロではないものの、もしこのシナリオになったら再び波紋が広がるだろう。
シナリオ(2)
「決済額+ANA搭乗実績」の二段構え
改定案では、「ANAにはほとんど乗らなくても、カードを年間300万円使う人」を優遇することに違和感を覚える人は多い。しかし、ANAカード・ANA Payの決済額とANAグループ便の搭乗実績を、何らか組み合わせて評価する方式なら合理的であり、そういった違和感も解消するだろう。
逆に、カード決済額が少なくても、年間に何度もANAを利用する顧客にはSFCの価値を維持できる。ANAも双方を評価するとして説明しやすい。







