決裁は「乗ってもらえばこっちのもの」
F:うまい!(笑)。そのクルマを造るか造らないかの最終判断は社長がするのですか? 社長がダメと言ったらそのクルマはダメなんですか?
赤:いや。それはないですね。社長は決裁の場には登場はしないです。2輪の方は分かりませんが、少なくとも4輪でそれはないです。
F:そうでしたか。私はてっきり社長が「よし、やれ」と最後にハンコを押すものだと思っていました。なるほどそういう会社だから、Super-ONEみたいなクルマを出せるのかもしれませんね。
ホンダは、昔の280馬力自主規制が撤廃された時も、真っ先に300馬力のレジェンドを出した会社です。だったら今回も、軽の64馬力自主規制なんかホンダが破っちゃえば良かったのに(笑)。そもそも64馬力規制は法律ではありませんよね?
64馬力規制と280馬力規制、何が違うのか
堀:はい。軽自動車の64馬力は自主規制です。ですがそこは「みんなで手をつないで守っている領域」なので、どこか一社が殻を破って飛び越える、という議論にはならなかったですね。
赤:280馬力の時とは事情が違うんです。当時は輸入車が既に300馬力、400馬力超えで当たり前に日本で売られていて「280psって何ですか?」という状態になっていた。規制自体の意味がかなり薄くなっていたんです。でも軽自動車は日本独自のカテゴリーです。64馬力について同じようには考えづらい。
時代が進むに連れその意味は薄れていき、2004年に自主規制は撤廃された。国産車で真っ先に300psを掲げたのが4代目ホンダ レジェンドだったのだ。
F:なるほど。今回は64馬力の壁をぶち破ったのではなく、クルマの方を軽自動車の枠から出してしまったというわけですね。幅を広げて普通車にしたから、軽規格の中で抑えていたパワーユニットの性能も出してしまおうと。
N-ONE e:とSuper-ONE。実はモーターもバッテリーも同じなんですよね。
堀:全く同じです。Super-ONEはトレッドを広げることでハンドリング性能をさらに上げています。当然そこまで幅を広げると軽自動車の寸法を超える。だったら、もともと持っているパワーユニットの性能も最大限出せるようにした方が良いじゃないかと。N-ONE e:は軽自動車なので64馬力に抑えていますが、Super-ONEではBOOSTモードで95馬力まで出せるようにしています。







