F:なるほど。「N-ONE e:をワイドにして95馬力出しました。以上!」では全然ないわけですね。

 ……と、Super-ONEの話ばかりしていると、N-ONE e:が単なる“元ネタ”みたいになってしまう(笑)。こちらについても聞かせてください。ホンダの軽といえば、一番売れているのは圧倒的にN-BOXでしょう。しかも既にN-VAN e:を造っていて、N-BOXとはプラットフォームも共通している。普通に考えればN-BOXをEVにした方が造りやすそうだし、台数だって売れそうです。なぜホンダの乗用軽EVはN-BOXではなくN-ONEだったのでしょう? 人気のN-BOXをEVにすれば、最初からドカッと売れそうです。

なぜN-BOXではなく、N-ONEをEVにしたのか

堀:ですよね。そう思われますよね。

 当然、売れ線のN-BOXは候補に上がりました。ただ、その前に大きな考え方として、「軽自動車とEVは相性が良いよね」というところから始まっています。軽自動車は、もちろん遠出に使う方もいらっしゃいますが、平均的には買い物、送り迎え、通勤といった日常の移動が中心です。走行距離も「月間400kmくらい」が平均なんです。EVはバッテリーをたくさん積めば航続距離は伸ばせます。でも積めば積むほどクルマは重くなるし、価格も上がる。日常の移動が中心の軽自動車なら、必要十分なバッテリーを積んで、自宅で充電して使うというやり方との相性が非常に良いんです。

 そこでまず商用のN-VAN e:から始めました。法人のお客様は配送などで一日に70km、80km、場合によっては100km近く走りますし、使い方もかなりタフです。だからまず「仕事の道具」としてちゃんと使えるEVを造った。その次に乗用車をどうするか、となった時にN-BOXも当然検討しました。

F:N-VAN e:が既にあるのだから、N-BOX e:は造りやすそうです。