AI株一極集中に異変...投資家がシフトする「キオクシアでもエヌビディアでもない」銘柄の実名Photo:PIXTA

世界的に長期金利の上昇が明らかだ。それに伴い、株式市場にも変化が見えている。年末にかけて株式市場は、今夏を上回る調整局面になることも考えられる。このリスクについて、代表的な銘柄名も交えて予測していこう。(多摩大学特別招聘教授 真壁昭夫)

世界的な長期金利上昇で
株式市場の潮目が変わった…!

 少し前まで、株式市場はAI銘柄を中心に大盛り上がりだった。代表的な銘柄は、日本のキオクシア、韓国のサムスン電子とSKハイニックス、米国のエヌビディアやマイクロンテクノロジーなど。投資家の強気心理が連鎖し、株式市場は世界的に活況を呈していた。

 ところが、足元でAI関連銘柄の上値が重くなっている。この展開を反映して、大手投資家は割高感が強くなったAI銘柄を段階的に売却し、割安感の残る銘柄に資金を配分しつつある。

 例えばだが「投資の神様」と呼ばれるウォーレン・バフェット氏は、わが国の総合商社に投資妙味を見いだしている。投資資金の動き=マネーフローは変化しつつある(詳細は後述)。

 背景には、世界的な金利(国債流通利回り)の上昇がある。特に、政策金利よりも先に長期金利の上昇が目立つ。物価上昇に加えて、主要国の財政が悪化していることもある。さらに、IT企業が旺盛な資金需要を賄うため、多額の社債を発行するケースも目立つ。

 今後、日米欧だけでなく新興国でも、インフレ対応のため政策金利が引き上がることが予想される。主要先進国の財政支出、国債発行も急増している。当面、長期金利は上昇することになりそうだ。

 となると年末にかけて、世界の株式市場が、今夏を上回る調整局面を迎えることも考えられる。このリスクについて、年初からの株式市場を振り返りながら予測していこう。

マネーフローは変化
AI銘柄→どの分野にシフト?

 投資資金の流れを見ると、マネーフローが変化したことがわかる。年初から6月ごろまで、多くの投資家はAIを中心に資金を振り向けてきた。それに伴い、世界的に半導体、AIデータセンター向けサーバー、半導体製造装置などの銘柄が急上昇した。

 この間、通信インフラ用の半導体を手掛ける、スウェーデンのシバース・セミコンダクターズの株価は2200%を超える上昇を記録した。6月中旬は、個人投資家も機関投資家も、先行きに非常に強気な見方が多かった。有力なAI銘柄を買えればそれなりの利益を得られると考えていた。

 一方、少数ではあるが、この状況に警鐘を鳴らす専門家はいた。ITバブルの絶頂期、投資家もアナリストも、高い成長を正当化するため業績予想を引き上げた。今回のAI相場でも、中期的な業績予想の上方修正が増加した。そうした状況から「相場は過熱しすぎ」と指摘する金融経済の専門家もいた。

 6月下旬には一時、世界的に株価が調整した。韓国、台湾、わが国や米国では、割高感が高まった半導体銘柄が急落。一部銘柄は、高値から半値以下にまで落ち込んだ。