G20で会談した米国のベッセント財務長官と日本銀行の植田和男総裁G20で会談した米国のベッセント財務長官と日本銀行の植田和男総裁 写真:ベッセント財務長官のXより

高まる9月追加利上げの観測
日銀執行部も早期利上げに前向き判断!?

 日本銀行が、9月17、18日に開く次回の金融政策決定会合で、政策金利を1.25%に引き上げる可能性が高まってきた。金融市場が織り込む0.25%幅の利上げ確率は、現時点で80%程度に達している。

 日銀は今年6月の決定会合で利上げを決めたが、仮に9月に利上げとなれば、3カ月程度の間隔での追加利上げの実施となる。

 従来の利上げの間隔が平均で半年弱だったことを考えれば、利上げペースの加速を意味する。

 米国とイランの停戦和平交渉が不調に終わり、中東情勢が、再び緊迫化するのを受けて原油価格が高騰、小売り段階などでの価格転嫁の動きが広がっていることで、物価上昇率の上振れが懸念されるからだ。

 円安が続くなか、7月末に約28年ぶりの日米での円買い協調介入が行われ、ベッセント米財務長官が日本の金融政策にしばしば言及し、米国が日銀の利上げを後押ししているとの見方が、市場などで広がっていることも、利上げペース加速を後押ししている。

 植田和男総裁は、政策金利の据え置きを決めた7月の決定会合後の会見で、「基調的な物価上昇率が2%を超えて上振れていくリスク」があるという点を強調し、そうならないように、利上げのペースを上げる可能性に言及した。

 植田総裁は、基調的な物価上昇率が2%の水準に近づいてきたがゆえに、さらに上振れると2%を超えてしまう可能性があるとし、2%の物価目標達成の観点から、この局面での基調的な物価上昇率の上振れリスクは、従来よりも重要な意味を持つ、と説明した。

 こうした植田総裁の発言は、金融市場で利上げペースが加速するとの見方につながった。さらに、その後に公表された7月開催の決定会合での審議委員らの「主な意見」では、早期利上げや利上げに前向きな意見が目立った。

 金融政策運営に関する意見は13項目掲載された。13項目の意見のうち5つは、機動的な利上げ、利上げペースの加速に言及していた。

 従来、早期利上げに前向きな審議委員2人に加え、少なくとももう一人が機動的な利上げ、利上げペースの加速に傾いたことになるだろう。

 7月時点で、すでに少なくとも3人が9月の決定会合での利上げに賛成していた、と推察できる。

 総裁ら日銀の執行部も、早期利上げに対して、より前向きな姿勢に転じたと考えられる。