「ガマンしてきたのに不条理だ」
漁業現場から悲鳴が聞こえる
こうした国際交渉の議論と、現場の認識には大きな隔たりがある。水産庁が6月に開いた自治体・漁業者向けの全国説明会では、全国の漁業者から不満が噴出した。
たとえば千葉県のはえ縄漁業者は、操業日数も10分の1、はえ縄の針数も10分の1に減らして、それでも多い日には、自分に割り当てられた枠の10倍、20倍の数のクロマグロを放流している、と訴えた。
北海道の漁業者は、「過去50年で最大級に資源が増えていると言われながら、なぜ小型魚枠を減らさなければならないのか」と疑問を呈した。
筆者が情報公開請求により入手した岩手県の行政文書によると、同県の定置網では、2025年だけで3981トン、23万8000尾ものクロマグロが放流された。※詳細は表を参照
現場の感覚では、問題は資源不足ではない。増え過ぎたクロマグロをどう管理するかである。その思いを最も率直に表したのが長崎県漁連関係者の発言だった。
「資源が戻ればまた漁ができると言われ、小型魚の半減措置をガマンしてきた。それなのに資源が増えた途端、さらに小型魚枠を減らされるのは不条理だ」
この言葉には、全国の沿岸漁業者の思いが凝縮されている。








