「リストラと聞くと、業績悪化を思い浮かべる人は多いでしょう。中小企業では依然としてそのような後ろ向きなリストラが続いています。中小企業の場合、退職金は200万円台、もしくはもともとの給料が低いため、そもそも退職金自体がないケースも多くあり、リストラは社員にとって死活問題です」
「しかし大企業は会社にとっても、退職者にとっても前向きなリストラとなっているケースがあり、必ずしもネガティブではありません。黒字リストラをする企業は、成長が見込みづらいシニア社員を早めに人員整理したい思惑が根底にあるでしょう。加えて、退職金は十分な額を提供するケースがほとんどです」
「大企業を早期退職した人の中には、現役時代からの貯蓄や投資、それに退職金を合わせて、ゆとりあるリタイア生活を送る人も意外と多いのです」
一般的に、大企業では通常退職金に加え、早期退職者には「特別加算金」が支給される傾向にある。その場合、総支給額が3000万円以上となるケースも少なくない。なかには1億円前後の退職金が支給されるケースもあるという。
また、パナソニックHDや三菱電機では、早期退職希望者が想定を上回り、人員削減費用が拡大したことから、純利益を下方修正した事例がある。つまり、大企業においては多額の退職金を目当てに、自ら進んでリストラを受け入れるシニア社員も一定数いるのだ。
これまで数々のワーキングシニアを取材してきた若月氏は、大企業の中高年社員にみられる特徴をこう解説する。
「年功序列で、在籍しているだけで給料が上がる仕組みに慣れすぎてしまっている、危機感のないシニア社員が多い印象です。大企業の体制に甘えるシニア社員ほど、退職後の再就職に苦戦する傾向にあります」
では実際、大企業に長年勤めたシニア社員は早期退職後、転職でどんな苦戦を強いられているのか。







