大企業に甘えてきたシニア
退職後の再就職に苦戦の実態
「55歳以降の転職では、自分の希望する職に就けない、あるいは労働条件の悪さに耐えられず数カ月で辞めてしまう事例も多く聞きます」
「50代前半がギリギリ。55歳を過ぎると一気に、転職市場における価値は低くなるのが現実です」
一例として、大手建設会社の営業職としてキャリアを築いたAさんのケースを紹介しよう。50代後半のAさんは、自身の業務経験を活かして、人材派遣の中小企業に採用された。
最初は良かった。ところが段々と、当初聞いていた仕事内容ではない、専門外の仕事まで任されるようになった。
若ければどうにかなったかもしれないが、心身ともに疲弊してわずか数カ月で辞職。現在は貯金を切り崩しながら、起業のため資格取得を目指して勉強に励んでいる。
続いて、外資系の大手医療関連会社の営業マンとして活躍していたBさんのケース。年齢を重ねるうちに成果で年下社員に追い越されていったBさん。居心地の悪さを感じ、50代後半で転職を決めた。
親族が経営する会社で働いたが、長くは続かなかった。そこで、以前と同じような医療関連会社に契約社員として再就職を果たした。
しかし、60歳で契約の更新ができず退社。現在はスーパーマーケットの品出しのアルバイトをやっている。
Aさん、Bさんいずれも「こんなセカンドキャリアになるとは思わなかった」とこぼしているという。
シニア転職で「苦戦する人」と「うまくいく人」
決定的な違いは?キャリアを活かすは幻想
シニア転職で苦い思いをする人に、特徴はあるのだろうか。「大企業に長年勤めて十分なキャリアがあるから大丈夫という慢心は禁物」と、若月氏は厳しい言葉を投げかける。
「シニア人材はキャリアが豊富だから即戦力になる、という考え自体が幻想です。特に55歳を過ぎると、自身のキャリアを売りにしても転職市場では相手にされない可能性が高い」
「大企業という制度が整った場所で築いたキャリアが、必ずしも他の場で通用するとは限らない。同じ企業で長年キャリアを積み上げるほど、転職市場で評価される実際のキャリアとの間にミスマッチが起きやすく、うまくいかないケースがよくあります」







