センターサーバーならば全駅相互の運賃をすぐに計算できる。センターサーバー化が完了することで、全駅のSuicaエリア化は3つのステップで進むことになる。

 まず、2026年度末に各エリアをまたいだ利用ができるようになり、東北本線の白川駅、羽越本線の鶴岡・酒田駅など、エリアの中間にある主要駅がSuicaに対応する。中間の対応駅は順次拡大していく予定だが、2026年度末時点でカバー率は60%程度だ。

 実際に全線全駅がSuicaに対応するのは、2030年代初めの予定だ。駅に加え、車両内にタッチ端末を設置。車内端末は位置情報を用いて停車駅を判別し、サーバーと通信して運賃を計算する。同社はこれを「どこでも改札(仮称)」と呼ぶ。

 車内端末を用いたICカード導入はJR西日本などの先行事例があるが、これらは自動改札機(端末)で運賃計算を行う現行システムを基本としたシステム。JR東日本はセンターサーバー方式を用いることで、全エリアの利用に対応できるというわけだ。

「どこでも改札」と
「スマホ改札」は何が違う?

 続いて2030年代中頃をめどに、モバイルSuica専用サービスとして、GPSの位置情報で駅の入出場を判定し、運賃計算を行う「スマホ改札(仮称)」を導入する。

 2024年に「Suica Renaissance」を発表した際、「位置情報等を活用した改札」によるJR東日本全線全駅のSuicaエリア化は、概ね10年後(2030年代半ば)の「将来」に導入するサービスとしていた。当時は計画になかった「どこでも改札」が新たに加わったことについて、JR東日本は全線全駅エリア化を前倒しで実現するためと説明する。

 ただ「どこでも改札」と「スマホ改札」はどのように差別化されるのかは、現時点では不明だ。「どこでも改札」で全線全駅エリア化が実現するのに、数年後に追加される「スマホ改札」がモバイルSuica限定というのは分かりにくい。「どこでも改札」だけでもいいのではないか。

「どこでも改札」のイメージ「どこでも改札」のイメージ(JR東日本プレスリリースより) 拡大画像表示