今、私たちが使っているSuicaは、センターサーバー化が完了し、エリアが統合された後も引き続き、ICチップ(カード・携帯電話)に利用記録(乗車駅・下車駅・残高など)を記録する。運賃計算こそサーバー上で行うが、データの起終点は引き続きカードだからだ。
センターサーバー方式は本来、全利用者の利用記録をサーバー上に保存して処理することができる。カードに記録を書き込む必要がないため、データと利用者の紐づけはQRコードや顔認証などでもよくなる。つまり「次世代Suica」の本質とはセンターサーバー化ではなく、システムの起点をICカードからセンターサーバーに移すことにある。
これを踏まえて前出の「タッチがなくなるかどうかの違い」という表現を振り返ると、このタッチとは「端末に何かしらをかざす作法」そのものではなく、「カードのデータを処理するために必要な行為」を意味していたと捉えるのが正確だろう。タッチは10年後も残るが、その性質や役割は現在とは異なるものになるはずだ。
Suicaアプリの詳細は明かされていない部分が多いが、例えば、機能のひとつとして「センターサーバー管理型の鉄道チケット」の提供が公表されている。センターサーバーにデータを持たせることで、サブスク商品や運賃の後払いなど、従来とは全く異なるサービスが可能になる。
そこで「通しの乗車券」の電子化だ。乗車券の区間、有効期間の情報をサーバー上に置き、途中下車する場合はGPSの位置情報で「スマホ改札」すれば、スマホ上に紙のきっぷを再現できる。これは従来システムを踏襲した「どこでも改札」では実現不可能なサービスだ。
以上は筆者の推測に過ぎない。このような電子乗車券はあくまで一例だが、これだけでも次世代Suicaの新たな可能性が見えてくる。いずれにせよ、サービスの全容が判明するのはまだ先のことだ。まずはエリア統合後の営業制度を早期に発表し、利用者を安心させてもらいたい。







