「おまかせ」された美容師は
内心何を考えているのか?

 モヒカンは極端な例ですが、「おまかせ」されて失敗しないためには、美容師が考える髪型とお客様の好みが一致しているかどうかを、事前に確認しておくことが大切です。

 この点について、筆者はお客様の「できる・できない」を必ず聞くようにしています。言い換えると、「美容師が提案したヘアスタイルを、お客様が扱えるかどうか」に配慮しています。

 というのも、日々のスタイリングの方法は、お客様によって得意・不得意が異なります。また、髪質、ウェーブ、生えグセなどの個性も一人ひとり違います。

 そのため、苦手なスタイリングやお手入れの悩みを事前にヒアリングし、上手くいかない原因を解消しながら、「ご自身が鏡の前で再現できるかどうか」を意識しながら施術しているのです。

 また、お客様の社会的な立場もデザインの参考にします。

 ヘアスタイルには、お客様の職業やライフスタイルが反映されます。銀行員、スターバックスの店員、サーファー、ロックンローラー、ヒップホッパー。皆さんの頭の中で、それぞれの姿をイメージしてみてください。思い浮かぶ髪型はそれぞれ異なっているはずです。

 このように、職業にはそれぞれ世間一般のイメージがあります。「おまかせ」された美容師は、このようなパブリックイメージから逸脱しない範囲内で、お客様の印象を演出する必要があるのです。

 ですが、既存のお客様であれば、すでに職業やライフスタイルを把握しているのに対し、新規のお客様については、まだ分からないことも多くあります。
 
 そのため、初対面のお客様に「おまかせ」されたとき、美容師は「ぱっと見」の印象で業種・業界や好きなファッションの傾向を推察し、その範囲内でヘアスタイルを決めます。