バラバラに学ぶと、知識はどこにも残らない
インプットがうまくいかない人を見ていると、多くの場合、知識が「バラバラに散らばっている」状態になっています。英語の勉強でたとえると、「英単語はこのアプリ、文法はあの参考書、長文は別の問題集、授業はまた別のノート……」といったイメージです。見返したいときにどこにあるのかわからない。
結果として、「学んだはずなのに、必要なときに思い出せない」ということが起きてしまうのです。
東大生は、知識を「1カ所に集める」ことを徹底しています。私はこれを「母艦を決める」と呼んでいます。
母艦とは、自分の学びの拠点になる「1カ所」のことです。参考書1冊でもいいし、ノート1冊でもいい。情報を1カ所に集約するアプリでも構いません。重要なのは、「困ったらここを見れば全部わかる」という場所を、1つつくっておくことです。
社会人でも同じです。上司や先輩から教わったこと、セミナーで習ったこと、本から吸収した知識などを、1つに集約しておくのです。もしも、マーケティング担当者なら、広告運用、SNS、消費者心理などを別々に扱わずに、1カ所にまとめておけば、点が線となってつながります。
母艦があると、インプットが圧倒的に効率化されます。何か新しいことを学んだら、すべて母艦に書き加える。何か失敗したら、その理由も母艦に書き加える。こうして、「自分専用のデータベース」を育てていくのです。
「母艦としての1冊」は、シンプルなものを選ぶ
母艦にするテキストを選ぶコツは、「内容の濃すぎない、基本情報だけが盛り込まれたもの」を選ぶことです。一見、情報量が少なく、余白が多いシンプルな1冊のほうが、母艦としては向いています。
理由は単純で、自分で書き込んで「育てていける」からです。最初から情報が詰まりすぎている本は、自分の気づきを書き込む隙間がありません。
一方、シンプルな1冊なら、他の問題集で出てきた追加情報や自分が間違えたパターン、ニュースを見たり誰かの話を聞いたりして得た新情報などを、どんどん余白に足していけます。半年後、その1冊は世界に1つしかない、あなた専用の参考書になっているはずです。
東大生に「受験でいちばん役に立った参考書は?」と聞くと、ほぼ全員が「ボロボロになるまで使い込んだ、書き込みだらけの1冊」を挙げます。彼らはそれを「自分のバイブル」と呼んでいます。試験前に見返すのも、不安になったときに開くのも、その1冊だけでいい。そんな状態をつくっておくと、勉強の安心感がまったく違うのです。
まずは、自分の中心になる1冊を決めてみてください。それが、これからのインプットの拠点になります。







