ディーゼルはなぜ消えたのか

 マツダがディーゼルエンジンの開発を止めてしまったわけではない。現にCX-60やCX-80には、3.3リッター直列6気筒ディーゼルが搭載されている。しかし小型・中型車からは次々とディーゼルが姿を消し、今後も継続販売される主力モデルでディーゼルを選ぼうとすれば、事実上CX-5よりも大きい(そして高い)ラージ商品群に限られることになる。

マツダの乗用車ラインナップマツダの乗用車ラインナップ(公式サイトより) 拡大画像表示

 その背景には、厳しさを増す排出ガス規制と、それに対応するための開発投資があると考えられる。マツダは2025年3月、今後エンジンの種類を半数以下に集約する方針を発表した。限られた経営資源を次世代エンジン「SKYACTIV-Z」や独自開発の新型ハイブリッドに集中するという戦略である。「SKYACTIV-Z」と独自開発の新型ハイブリッドを組み合わせたパワートレインの、新型CX-5への搭載は2027年中を予定している。

 一方、CX-5最大の市場である北米は、もともとガソリン車が主流だ。日本で支持されてきた2.2リッターディーゼルを新たな環境規制に適合させ、継続して生産するには相応の投資が必要になる。世界全体の販売規模と開発費を天秤にかければ、採算面で厳しいと判断されたと考えるのが自然だろう。

 技術的に造れないという話ではない。つまりはソロバンが合わないのではあるまいか。この辺りは開発者インタビューの際にしっかりと確認したい。