現代芸術の好きな方ならばわかるが、日本の現代アートの一部には「萌え」「美少女」「女児」をモチーフにした作品が少なくない。

 これは日本を代表する世界的アーティストである村上隆氏や会田誠氏が、そのようなテーマの作品を発表して世界的にも高く評価されたことと無関係ではないだろう。

 村上隆氏が1997年に発表した「HIROPON」。これは自分の母乳で縄跳びをしている美少女のフィギュアで当時、クリスティーズでオークションにかけられ約5000万円で落札されて話題になった。

 同じく会田誠氏も2013年、手足を切断された裸の少女が首輪をされている絵「犬」シリーズなどを展示している。これらは今回のように批判も起きたが、一方で美術界では評価され、このような作品も美術マーケットで高い価格がつくようになった(2013年2月10日 弁護士ドットコムニュース)。

 今回問題となった作品の作家が、世界的な成功をおさめた先人たちに影響を受けたかどうかはわからない。しかし、女児を性的な表現で取り上げる作品であっても高く評価されうる土壌があったことは間違いない。

 そのため、2000年代以降の現代芸術家の中には、今回問題になったような「全裸の女児」や「美少女の性的搾取」のようなテーマに挑むことこそが、「攻めたアート」と考えている人がいるのだ。

 もちろん、こういう作品にはアーティストたちなりの社会へのメッセージや自己表現がこめられている。それ自体は尊重すべきだし、そういう作品を見たい、感じたいというファンもいる。

 今回の展示のキュレーターのSNSによれば、撤去された作品も含めて、今回の展示作品の中には海外からは高い評価を受けているものもあるという。

 ただ、企業危機管理という観点では、そういう賛否両論ある芸術のリスクはできるだけ回避をするというのがセオリーだ。そのため、このようなテーマが企画された段階で、施設としては情報収集にあたってリスク評価をするのが一般的である。