夜行列車が復活ブームなのに…「東京~大阪」での増便を阻む「JR3社の壁」JR西日本の「WEST EXPRESS銀河」 Photo:PIXTA

国鉄時代には多数あった「夜行列車」が今、再びブームになっている。ホテル代が高騰する中で、「コスパのいい旅のスタイル」として人気を博しているのだ。JR各社から相次ぎ登場する一方で、復活を阻む「壁」もあるという。東京~大阪で運行しにくい理由とは?(ライター 前林広樹)

なぜ今、夜行列車が人気?
JR西、東海、東から相次ぎ登場

 車両の老朽化や需要の低迷などにより、定期運行する夜行列車は「サンライズ瀬戸・出雲」を残すのみとなった。ところが最近、定期運行ではないものの、夜行列車を復活させる動きが目立つ。

 その代表例が、JR西日本の「WEST EXPRESS銀河」だ。京都・大阪から季節ごとに山陰・山陽・紀州方面へと行先を変える全席グリーン車の夜行列車で、2020年のスタート以来大人気となっている。

 この人気に続けと、今夏は夜行列車(ツアー)が相次いで設定された。8月8日~9日、東海道新幹線を利用した夜行ツアー「東海道ルミエールエクスプレス」が運行。東京駅を22時台に出発、岐阜羽島駅にあえて途中停車し、新大阪駅に6時台に到着するスケジュール。通常の新幹線よりも安い値段で移動でき、早朝に大阪に着くため前泊代が不要になるのが支持され、即完売したという。

 他にも7~9月には新宿~白馬間で「アルプス」、新宿~長野間で「ナイトエクスプレス信州」が運行。8月9日には、かつて「青春18きっぷ」利用者にも人気だった「ムーンライトながら」が復活した(運行区間は三島~大垣間に短縮、JR東海ツアーズの旅行商品)。

 そして、2027年にはJR東日本から夜行列車「Luna Azul(ルナ・アズール)」が登場する。グリーン車より少し高い程度のお値段で個室を利用できるのが魅力。夏季は、かつて寝台特急「あけぼの」が走った東京~秋田・青森方面を夜行列車として、冬季は、草津温泉の玄関口である長野原草津口駅方面への昼行運転を予定する。

 なぜ今これほど、夜行列車が盛り上がっているのだろうか。