JR各社にとって、会社をまたぐ運行のコストや収益性については、旅行商品として発売すれば解決できる。旅行商品なら、企画会社が運賃や特急料金のルールに関係なく、企画料として売り上げの多くを取ることになるからだ。

 一方で、鉄道に定められた運賃制限は適用されないので、かなり高額になるケースも想定される。利用者からすると、安く移動と宿泊を兼ねたいニーズとマッチしなくなる。

 また、車両については線路を保有する会社に利用料を支払う「鉄道運行専門会社」を設立することで解決はできる。JR貨物が似たような手法をとっている。

 ちなみに欧州では、高速鉄道にオープンアクセス制度という鉄道運行会社の参入が許可されており、フランスのパリ~リヨン間にイタリアの鉄道会社が参入するなどの例がある。こうした方式であれば、JRや第三セクターの会社間をまたいだ夜行列車の運行が比較的容易になるだろう。

 ただし、乗務員の確保や車両の新造などのコスト面での課題は多い。理論上は可能だが、日本の旅客鉄道で実現できるかは、今後の夜行列車の需要次第と言えるだろう。

夜行列車が復活ブームなのに…「東京~大阪」での増便を阻む「JR3社の壁」JR西日本の「WEST EXPRESS銀河」 Photo:PIXTA
夜行列車が復活ブームなのに…「東京~大阪」での増便を阻む「JR3社の壁」復活運行した「ムーンライトながら」 Photo:PIXTA