結果は、なんと85%もの人が自分は「平均より上」とみなしており、「平均より下」とみなす人はひとりもいなかった。

 また、別の調査データを見ても、管理職の90%が自分の能力はほかの管理職より優れているとみなしていたり、大学教授の94%が自分は平均より優れた業績をあげているとみなしていたりと、驚くべき自己認知の歪みが示されている。

 こうしてみると、いかに多くの人が自分を過大評価しているかがわかると同時に、このポジティブ・イリュージョンが欲求不満の背景にあることがわかる。

 たとえ正当な評価が行われたとしても、多くの人がポジティブ・イリュージョンにより、「自分は正当に評価されていない」と感じてしまう。人事評価のシステムを整えれば不満がなくなるというわけではないのである。

 そうなると、「自分は正当に評価されていない」「自分は不遇な目に遭っている」「こんなはずじゃなかった」といった思いは、多くの人が心の内に抱えているものと言える。だからこそ、的外れな被害者意識がそこらじゅうにうごめいていたりするわけである。

「自分は報われていない」は
本当に正しいのか

 自分は十分に報われていないといった思いをもつ人は、ともすると見当違いの被害者意識を抱きがちである。ゆえに、見当違いの被害者意識をもつのを防ぐには、自分自身のもつ「報われていない」という思いが妥当なのかどうかをチェックしてみる必要がある。そこで何か気づきが得られれば、見当違いの被害者意識に苛まれずにすむ。

 たとえば、「上司との相性が悪く、正当な評価をしてもらえない」という思いを抱えている場合、自分はどんな成果を出しているか、その成果は周囲の人たちを上回るものになっているか、評価が高かった同僚は自分よりも成果を出していない人なのか、といった具合にチェックしてみる。