「評価に振り回されない人」が考えている、たった1つのこと写真はイメージです Photo:PIXTA

4月を機に、新しい部署に配属となったり、転勤の辞令が出た人もいるだろう。組織に属するビジネスパーソンであれば人事評価とそれに伴う異動があるのは当然のこととはいえ、そこには一喜一憂があるものだ。希望通りの評価が得られなかった場合に持っておきたい心構えとは。(フリーライター 鎌田和歌)

一喜一憂しすぎない心構えが大切

 組織内の評価とは個人の思惑とズレることが多々あり、例えば下記のような状況に悩みを抱えてる人もいるだろう。

 新卒時から一貫して新規事業部への配属を希望しているのに、今期の人事異動でもそれが叶えられなかった。中間管理職となり、部下や同僚からの評価は高いと感じていたものの、経営層からの評価は異なり、昇進のチャンスを逸してしまった……

 春は新年度の始まりであり、気候が暖かくなることも相まって華やぎに満ちている。だからこそ、思うような前進がなかった人にとっては、さみしさや孤独を感じやすい時期でもある。

 特に現代は変化の早い時代であり、どんな業種・職種であっても数年前とは違う状況への対応力を求められがちである。人事評価の軸も、経営陣が刷新されそれに伴って変わっていく。こういった変化に柔軟に対応することも必要だが、一方で一喜一憂しすぎない泰然とした心構えも必要になってくる。

 本稿では主に、評価の受け止め方について考えてみたい。

1、評価は「点」ではなく「線」で捉える 

 結果を早く出したい若い層にありがちなのが、その時の評価を自分のすべてだと思ってしまいがちなことである。想像と違う評価を下された際に「この会社では認められない」「今の上司と合わないのだ」と短絡的に結論を急ごうとしてしまう。

 しかし本来、評価は「点」ではなく「線」で捉えるべきだ。これは長期的なキャリアを考える上で、過去の自分と今の自分を比べるという意味でもあるし、自分が持っているいくつかのスキルを個々のものとして捉えるのではなく、グラフのように線でつないで考えてみるということでもある。

 現在の評価が「低い」と感じても、過去と比べてみて成長している部分も必ずあるものだし、自分の欠点を指摘されることで逆に強みを把握できる場合もある。