人材不足は建設業だけじゃない!
IT企業も追い詰める厳しい現実

 2026年度上半期に判明した「人手不足倒産」225件を業種別に見ると、職人不足が慢性化している「建設業」が70件(前年同期比+17件)で最も多かった。帝国データバンクがまとめた『人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)』によれば、建設業は金融業に次いで人手不足を感じている割合が高い。

 静岡県の屋根工事業者では、従前から厳しい収益環境が続いていたなか、複数の現場を取りまとめていた社員の独立や、施工にあたって必要な資格を持つ社員の退職が重なったことで営業活動が困難な状況に陥り、自己破産を申し立てた。

 次いで「サービス業」が63件(前年同期比+6件)と続き、なかでも高度なスキルを持つ人材の獲得競争が激しい「受託開発ソフトウェア業」が8件(同+6件)となり、増加が目立った。販売管理システムの開発を手がけていた愛知県の企業では、資金面の問題から人材の採用・育成に着手できない状態が続いていたなか、近年のAIやノーコードツールの台頭に対して自社開発の対応も追い付かず、事業継続を断念する一つの要因となった。

 今後も引き続き、高騰する人件費への対応が焦点となる。2026年度の最低賃金は前年度から56円上昇し、全国加重平均で1177円に決まった。政府は、最低賃金を「遅くとも2030年代前半のできる限り早期」に1500円へ引き上げることを掲げており、より優れた人材の獲得競争に向けて、賃上げの流れは続くことが予想される。

 とはいえ、すべての企業が同じように対応できるわけではない。今後は、「賃上げを原資として付加価値を生み出せる企業」と「人件費上昇を吸収できない企業」との二極化がさらに進む可能性が高い。