日本のGDP「世界6位転落」は衰退の証しか、円安で縮む経済規模と脱デフレで見え始めた国内経済の変化Photo:PIXTA

2027年に日本の名目GDP(ドル建て)が世界6位へ転落するとの予測を受け、日本のジリ貧を嘆く論調がある。しかし、この尺度のGDPが過去最大だったのは、東日本大震災後で、デフレのどん底だった2012年である。国際比較は何を尺度にするかだけでも様変わりであることを理解し、短絡的な悲観論でなく、脱デフレで動き出した前向きな変化を確実にしていくプラス思考こそが重要だ。(楽天証券グローバルマクロ・アドバイザー TTR代表 田中泰輔)

世界2位から6位へ
日本経済の何が変わったのか

 日本の名目GDPは2026年現在、米国、中国、ドイツに次いで世界第4位とされる。主要予測機関の2027年の各国GDP成長見通しに基づくと、27年にはインドと英国に抜かれて、第6位になる見込みだ。

 このニュースを受けて、日本がますますジリ貧になるかのような論調が少なくない。日本はかつて世界第2位だったと、過去の「栄光」も引き合いに出される。筆者が当欄で折々論じてきたのは、日本の国内論調が、自国について、あまりに悲観に傾きがちになる問題だ。

 しかも、日本を国際比較する時には、世の中の外国為替レートについての理解不足をいいことに、為替を曲解させて殊更に悪く扱うことがあまりに多いと感じる。

 なぜ、前向きな議論にならないのだろうか。次ページでは、日本GDPが世界6位に落ちることを懸念する意味、そして無意味さを整理して、健全で建設的な思考を喚起する。