フランス財政不安で「ユーロ急落」危機!日米利上げ・ECB据え置きなら1.10ドル割れ、対円でも下落加速かPhoto:EPA=JIJI

フランスの財政赤字削減を巡る政治的不透明感から長期金利が急上昇し、ユーロへの下落圧力が強まっている。2011年の欧州債務危機を彷彿とさせる動きだ。さらに、12月の金融政策決定で日米が利上げする一方、欧州中央銀行(ECB)が見送れば、ユーロ安が加速する恐れがある。対ドルで1.10ドル、対円で175円という節目を割り込む可能性を検証する。(SMBC日興証券 チーフ為替・外債ストラテジスト 野地 慎)

フランス財政不安で長期金利が急騰
ドル高も重なりユーロ安圧力が強まる

 フランス政府は10月1日に2027年度予算を閣議決定したが、マクロン政権が財政赤字の対GDP(国内総生産)比を今年度の5.4%から5.0%に縮小させることを目指しているため、11月17日に予定されている予算案採決への懸念が強まり、その結果、フランス長期金利が大きく上昇する事態となっている。

 米国では9月の消費者物価指数が市場予想を上回った結果、利上げ期待が高まり、これがドル高を促している格好だが、ドル高圧力とフランスへの懸念から生じるユーロ安圧力の双方からユーロが売られており、節目の1ユーロ=1.10ドル割れも視野に入ってきている。

 次ページでは、日欧米の金融政策動向、景気・財政動向に基づいて円、ユーロ、ドルの今後の見通しについて検証する。